2022.12.31

2022年に観たドラマ、ベスト5

2022年に観たドラマのベスト5について考えていたら、 5つめで迷ってしまって、このまま熟考していても年が変わってしまいそうだからベスト4まで、ということで。

1 セヴェランス
2 オザークへようこそ
3 ベター・コール・ソウル
4 フリーバッグ

今年の1位は『セヴェランス』暗いしスローだし最初はどうなんだこれって感じでしたが、 随所に光る妙なセンスで回を重ねるごとに面白さも増して最後は怒涛の展開。 このドラマの核となっているアイデアは、もうそれだけで素晴らしく面白いのですが、 多分始まりは一人の誰かの頭の中に浮かび上がった独特なアイデアで、 それをしっかりと共有されて共同作業で一つの作品として仕上がり完成されるということが、 あらためて凄いことだなと思いました。

『オザークへようこそ』ファイナルシーズンの後半はちょっと弱かったかもしれません。 でも全シーズンを通しての感想としてはとても良かったと思います。 Netflixで2シーズン以上続いたドラマのなかでは一番面白かったです。 あり得ない才能をもったあり得ない状況の家族の物語なのですが、 夫婦の関係性にフォーカスしてみるととても見応えがありました。 どちらが良いとか悪いとかではなくて、意見が一致しないことは普通にあり得ることだし、 常に感情に折り合いがつくとも限らないわけで、自分の意思ではどうにもならない不安定な距離感のなか、 ただ生き延びるためではなく、家族として生き延びるためにはどうするか、 ということを夫婦のそれぞれの視点で考えさせられます。

『ベター・コール・ソウル』も全シーズンを通しての感想になりますが、 まず、あのソウルを主人公にしてこのようなドラマが作れるのか、ということが驚きでした。 『ブレイキング・バッド』は確かに面白いけれど、主人公が私にはもう無理な感じで、 好きなドラマにはならなかったわけですが、 でも主人公以外の登場人物がほぼ全て素晴らしいと思っていたので、 自分としてはモヤモヤする何かがずっと残っていました。 そのスピンオフがこの『ベター・コール・ソウル』です。 スピンオフ作品には、既に視聴者と共有しているバックグラウンドがあって、 物語や世界観に奥深さが最初から備わっているという有利な点があるとは思いますが、 それでも、そうだとしても、このような骨太なドラマになるとは本当に意外でした。 ラストに連なるシーンの秀逸さは格別です。

今年のドラマではないですけれど『フリーバッグ』を4位に。 完全に見落としていました。全く気づいていなかったのですが、 何となく見つけて観てみて驚きました。これは凄い。本当に天才っているんだと思いました。 ここ数年のコメディの中では一番です。確かに子供と一緒に観られない、 品のよろしくないコメディかもしれませんが、センスは抜群です。 出てくるキャラクターが絶妙です。これは天才だと思いました。

2022.12.25

食洗機が壊れたら

毎日繰り返す同じことも幾つか変化する。要領が少し変わってくる。先日、16年使っていたミーレが動かなくなった。 ここ数年修理代にかかっていた費用も考慮して、買い替えることにした。だがミーレは明らかに予算オーバーで、 自分たちにとって現実的な価格の別のものに買い替えることにした。新しい食洗機がやってくるのは数週間先だった。

息子はプラレールを、娘はミニサイズのボンゴを、クリスマスのプレゼントに願っていた。 「父さんもサンタにお願いしたら?父さんは何が欲しいの?」 息子に何度も聞かれて、真面目に思いつくことといえば、健康な歯とか気力とか、 そんなことを答えてもつまらないだろうし、「いや、何にも無いよ」と適当に答えていたけれど、ああ、そうだ、あったよ。ミーレだよ。

2022.12.12

音楽サブスク2022

音楽配信サービスのおかげで以前よりも音楽を聴く楽しみが増えました。 新しい音楽を次から次へと発見できることに、驚きは尽きることがありません。 ここでいう「新しさ」というのは時間軸の新しさだけではなく、 それまで自分が知らなかったものや気づいていなかったものも含めて、 私の主観的な意味での「新しさ」です。 私はApple Musicを利用しているのですが、そこで自分が今年よく聴いた楽曲がわかるReplay 2022 というものがありました。 このような機械的な統計は、自分でも気づいていなかったことがわかったりもするので案外侮れないものです。 以下、私が今年よく聴いたアーティストのトップ10。

1 Cornelius
2 Brandt Brauer Frick
3 Julius Eastman
4 Marlon Craft
5 Jeroen van Veen
6 Daniel Brandt
7 Sō Percussion
8 Terry Riley
9 Clairo
10 Kota the Friend

1位は自分でも予想どおりで、確かに繰り返しよく聴いていました。聴いているのはPOINTとSENSUOUSだけですが、去年あたりから良さに気づいて、 そう、良さがわかるまで20年くらいかかりました。この2枚はとても良いと思います。 サブスクがなかったら気づくことができなかったと思います。

Brandt Brauer Frickは、誰だっけ?という感じで、歳のせいか名前を全く覚えられなくなりました。サブスクのせいではないと思います。 ドイツのエレクトロ? 思い出しました。ネットで見かけた「人力ミニマル」というワードで面白そうと思って、 それで気軽にすぐに聴けるのが音楽配信サブスクの凄いところだと思います。確かにこれも繰り返し聴いていたと思います。 こんなに繰り返し聴いていたとは思いませんでしたが。

Julius Eastmanは、まったくどういう人かわからなかった(今でもよくわかってない)けれど、 Apple Musicで表示されていたから知ることができました。自分にとって今年一番の発見と言ってもいいものの一つで、 今年後半は最もよく聴いていたような気がします。Stay On It がとても良いです。

Marlon Craftは、何をきっかけに知ったか忘れましたが、Apple Musicであることは確かです。 ヒップホップ一般に言えることですが、私の英語力では何を言っているのかさっぱりわからないので、 リリックの内容については何も言えません。 でもヒップホップほどコンテンポラリーという言葉に見合った音楽はないのではないでしょうか。 このMarlon Craftという人も詳細はよくわかりませんが、最近かなり好きです。

特に意識して聴いた覚えのないJeroen van Veen、オランダのピアニストのようです。 ミニマル系の作曲家の作品が多いみたいで、それでよく聴いていたのかもしれません。

Daniel Brandt? 名前だけでは誰だかわからず検索して確認すると、Brandt Brauer Frickのメンバーのようです。 ソロも出していたようです。ほとんど意識せずに繰り返し聴いていました。

Sō Percussionはニューヨークのパーカッション・カルテット。この人たちも現代ミニマル?な音楽を扱っているので、 それでたぶんよく聴いていたのだと思います。このSō Percussionが演奏しているJulius Eastmanの Stay On Itをよく聴きました。

いつ頃からか何となくミニマルというような音楽が気になっていて、 だったらまず巨匠を! ということで、Terry Riley です。主に、In C の幾つかのバージョンを聴いていました。 これもそんなに聴いていた覚えはないのですが(実際、冒頭の印象しか残っていない)、でも確かに In C は、つい何となく再生しやすいような気がします。

たぶんClairoを知ったのは今年になってからです。 若いシンガーソングライターで、やはり音楽サブスクのようなサービスがなければ自分には全く知る機会がなかったと思います。 静かに熱い感じがとても良いです。

Kota the Friendは、ここ数年よく聴いています。もっとたくさん聴いているような気がしていました。 (でもそれは去年とか一昨年のことだったのかもしれません。時間の感覚があやしくなってきたのはもう私の歳のせいです。) 私自身がヒップホップに疎いからかもしれませんが、Kota the Friendを初めて聴いた時、こんなに洗練された音楽があるんだ、 と驚いたことを確かに覚えています。